「〜し損ねる」だけじゃない!多義語missの隠れた意味と重要用法
英語の miss と聞くと、「電車に乗り遅れる」「チャンスを逃す」などの「〜し損ねる」という意味を思い浮かべる人が多いでしょう。
ですが実は、miss はそれだけにとどまらない、とても守備範囲の広い動詞です。
日常会話からビジネス英語まで幅広く使われ、文脈によって微妙に意味が変わるのが特徴です。
この記事では、miss の基本から、日本人学習者が見落としがちな「隠れた意味」や重要用法、さらに文法的なポイントまで、体系的に整理して解説します。
missの基本解説
missの動詞の意味
miss の中核イメージは「本来あるはずだったものが欠ける・起こらない」です。
この感覚が非常に重要で、単に「失敗する」というよりも、「期待・予定・狙いとのズレ」を表します。
このイメージから、miss は次のように意味が広がっていきます。
- (電車・飛行機・機会などに)間に合わない/逃す
- (人・時間・過去の状況などを)恋しく思う
- (狙い・的・要点などを)外す
つまり miss は、「行動したけれど結果が得られなかった」場合だけでなく、「そもそも存在してほしかったものが今は無い」という状態も表します。このため、感情表現にも自然に使われるのです。
例文:
- I missed the last train.(終電に乗り遅れた)
- I miss my family.(家族が恋しい)
- He missed the target.(彼は的を外した)


近いけど少し違うね。
「失敗」よりも「本来あるはずのものが無い」感覚が強いね。

だから「人が恋しい」にも使えるんですね。

そう。そこにいるはずの人がいない、というズレを表しているんだ。
名詞としてのmissの意味は?
miss は名詞としても使われ、主に「外れ」「失敗」「惜しいミス」を意味します。
特に near miss は「危うく失敗するところだった」「紙一重で避けられた失敗」という意味で、ニュースやスポーツ、ビジネスの場面でもよく登場します。
また、大文字で始まる Miss は未婚女性に対する敬称で、動詞や名詞の miss とは意味的なつながりはありません。
ただし、同じ綴りなので文脈で判断する必要があります。
例文:
- That accident was a near miss.(その事故は間一髪で避けられた)
- The shot was a complete miss.(そのシュートは完全に外れだった)
- Miss Taylor will attend the meeting.(テイラーさんが会議に出席します)

near miss って「ほぼ成功」じゃないんですね。

そこがややこしいところで、「ほぼ失敗」なんだ。

敬称の Miss は意味的につながってない?

うん、単なる呼び方だから、文法的にも別物だよ。
missの発音と読み方
miss の発音は /mɪs/ です。
日本語のカタカナでは「ミス」と表されますが、英語では母音 /ɪ/ を短く、軽く発音するのがポイントです。
日本人学習者がやりがちな間違いとして、「ミィス」と母音を伸ばしたり、/iː/ の音で発音してしまうことがあります。
miss は me や see のような長母音ではありません。
また、this や his と同じ母音だと意識すると、より自然な発音になります。

発音はカタカナの「ミス」で覚えていい?

目安としてはOKだけど、実際は一瞬で切る感じだね。

me みたいに伸ばすと違和感ある?

かなり不自然になるから注意しよう。
missの隠れた意味と重要用法
(予定されていた行事に)欠席する・行かない
miss は、会議・授業・約束・イベントなど「本来参加する予定だったものに行けなかった」場合によく使われます。
この用法では、「サボった」というよりも、「予定があったが実現しなかった」という中立的・事実ベースの響きになります。
英語では be absent も「欠席する」を表しますが、こちらはやや形式的で、学校や公式記録向きです。
日常会話やビジネスでは miss のほうが自然で、理由をぼかして伝えたいときにも便利です。
例文:
- I missed the meeting yesterday.(昨日の会議を欠席しました)
- She missed class because she was sick.(彼女は体調不良で授業を欠席した)

「欠席する」って全部 absent だと思ってた。

意味は近いけど、実際の会話では miss の方が圧倒的に多いよ。

じゃあ言い訳っぽく聞こえない?

むしろ逆で、事実を淡々と伝える自然な表現なんだ。
(言葉や音を)聞き逃す・見落とす
miss は、相手の発言・アナウンス・説明などを「一瞬聞き取れなかった」「注意が向いていなかったために理解できなかった」場合に使われます。
完全に聞こえなかったというより、「本来キャッチできたはずなのに逃した」という感覚が含まれます。
このため、単なる事実説明の I didn’t hear よりも、会話的で柔らかい印象になります。
例文:
- Sorry, I missed what you said.(ごめん、今の聞き逃した)
- I missed the announcement at the station.(駅のアナウンスを聞き逃した)

聞こえなかった時は I didn’t hear じゃダメ?

もちろん通じるよ。
でも miss を使うと「一瞬逃した」感じが出るね。

確かに、会話だとこっちの方が自然ですね。

そう。特に聞き返す時は miss が便利だよ。
(道などを)間違える・通り過ぎる
miss は、道・曲がり角・出口・駅など、進行中に「気づくべきポイントを通り過ぎてしまった」場合にも使われます。
この用法では、「間違えた」というよりも、「注意すれば取れたはずの選択肢を逃した」というニュアンスが中心です。
特に miss my stop は非常に定番で、日常会話で頻繁に使われます。
例文:
- We missed the turn.(曲がるところを間違えた)
- I missed my stop again.(また降りる駅を通り過ぎた)

「道を間違える」って wrong を使うと思ってた。

それも言えるけど、実際は miss の方が自然な場面が多いね。

ポイントを見逃した感じですね。

その感覚がまさに miss なんだよ。
missの文法的な構造:missを正しく使うためのポイント
自動詞と他動詞:使い分けのポイント
miss は基本的に 他動詞 で使われます。
つまり、「何を逃したのか・欠けたのか」という 目的語が必須 です。
これは miss が「ズレの対象」を明確に示す動詞だからです。
日本語では「乗り遅れた」「欠席した」だけで文が成立しますが、英語の miss は対象を言わないと意味が完成しません。
そのため、目的語を省略すると不自然になります。
また、受動態(be missed)の形もよく使われ、「何が欠けているか」「誰がいなくて困っているか」を客観的に述べることができます。
例文:
- I missed the bus.(バスに乗り遅れた)
- She missed an important detail.(彼女は重要な点を見落とした)
- You were missed at the meeting.(会議ではあなたが来なくて残念だった)

I missed. だけじゃダメなんですね。

そう。miss は「何を」がないと意味が止まっちゃうから。

受動態でも使えるのは意外。

「欠けていた存在」を強調したい時に便利だよ。
動名詞(doing)だけ!不定詞(to)が使えない理由
miss の後ろには 動名詞(〜ing) しか置けません。
不定詞(to do)が使えない最大の理由は、miss が「すでに起こらなかったこと」「失われた行為」を振り返る動詞だからです。
動名詞は「行為そのもの・経験」を名詞化します。
一方、不定詞は「これから起こる行為」「目的・意図」を表す傾向があります。
この時間的なズレが、miss と to do の相性を悪くしています。
つまり、miss + doing は「やっていた/やるはずだった行為が今は存在しない」という意味を自然に表せる構造なのです。
例文:
- I miss living in Tokyo.(東京に住んでいた頃が恋しい)
- He missed seeing the doctor.(彼は医者に診てもらう機会を逃した)
- × I miss to live in Tokyo.(誤り)

未来のことじゃないのに to がダメなのが不思議だわ。

to は「これから」のニュアンスが強いからね。

miss はもう終わった話なんですね。

「失われた行為」を思い出す動詞だと覚えるといいよ。
そのまま使える!missの例文・フレーズ集
友達・家族との会話で使う自然なmiss
日常会話では、miss は感情やちょっとした出来事を自然に表す便利な動詞です。
特に「寂しい」「懐かしい」「見逃した」といった気持ちを、重くなりすぎずに伝えられるのが特徴です。
文脈によってはカジュアルにも、少し感情的にも使えるため、友達・家族とのやり取りで頻出します。
例文:
- I miss you.(会えなくて寂しい)
- I miss those days.(あの頃が懐かしい)
- Don’t miss it!(見逃さないで!)

I miss you って恋人向けの表現?

そんなことないよ。
友達や家族にも普通に使うよ。

重くならないんですね。

言い方や状況次第で、軽くも深くもなるのが miss だね。
ビジネスメールや会議でのmiss
ビジネスシーンでも miss は非常によく使われます。
直接的に責任を強調せず、「見落とし」「不参加」「遅れ」を柔らかく伝えられるのが特徴です。
謝罪・フォロー・確認の場面で特に重宝します。
例文:
- Sorry I missed your email.(メールを見落としていました)
- I missed the deadline due to an unexpected issue.(予期せぬ問題で締め切りに間に合いませんでした)
- Let me know if I missed anything.(見落としがあれば教えてください)

missed the deadline って正直すぎません?

事実を淡々と伝える定番表現だよ。
言い訳っぽくならないからね。

便利な表現ですね。

確認メールの最後にもよく使うよ。
丸ごと覚えたい!重要イディオム
miss を使ったイディオムは非常に多く、意味を直訳すると分かりにくいものもあります。
こうした表現は、単語単位ではなくフレーズごと覚えるのが効果的です。
例文:
- You can’t miss it.(すぐ分かるよ/見逃すはずがない)
- miss the point(要点を外す)
- miss out (on)(〜を逃す、取りこぼす)

You can’t miss it. って「見逃せない」じゃないんですね。

意味としては「絶対分かる」って感じだよ。

直訳だと混乱するわ。

だからイディオムは丸ごと覚えるのが一番だよ。
まとめ
miss は単に「失敗する」「逃す」という意味ではなく、
- 行事や機会に参加できなかった
- 音・言葉・情報を聞き逃した/見落とした
- 道やタイミングを間違えた
- 人や過去を恋しく思う
といった、時間・機会・感情に関わるズレを表す動詞です。
また、文法的には「基本は他動詞」「後ろは必ず動名詞」という明確なルールがあり、ここを押さえるだけで誤用が激減します。

miss って「〜し損ねる」だけだと思ってた。

多い誤解だね。
実際は「本来あるはずだったものとのズレ」を表す動詞なんだ。

だから感情にも道にも使えるんですね。

そう。意味を広く理解すると、会話でも文章でも一気に自然になるよ。


miss って「失敗する」とは違うの?