「何かにおわない?」smellの意味と、意外と知らない状態・動作のルール
英語の動詞「smell」は、日本語で言う「におう」や「嗅ぐ」と似ているようで、実は状態を表す用法と動作を表す用法があるため、初心者が混乱しやすい単語です。
本記事では、smellの基本的な意味、名詞・動詞としての使い方、進行形の可否、比喩的表現、日常会話やビジネスでの使い方まで、丁寧に解説します。
目次
smellの基本情報
smellの動詞の意味
smellは「においがする」「においを感じる」という意味を持つ動詞です。
ただし、日本語の「におう/嗅ぐ」は1語で済むのに対し、英語のsmellは状態と動作を文法的に区別する必要があります。
ここを曖昧にすると、不自然な英文になりやすいのが特徴です。
- 状態:物や場所が自然に発しているにおいを感じる
例文:
- The room smells good.(部屋がいいにおいがする)
- 動作:人が意識的に鼻を使って嗅ぐ
例文:
- She smelled the soup.(彼女はスープのにおいを嗅いだ)
特に重要なのは、「smell=基本は状態動詞」という点です。
動作として使う場合は目的語が必要になり、文の形も変わります。


多くの人がそう思うけど、英語では「においがする」という状態がメインなんだ。
そこを押さえると一気に分かりやすくなるよ。
smellの名詞の意味
名詞のsmellは「におい」「香り」を意味します。
日本語の「匂い」と同じく、中立的な語なので、良い・悪いの評価は形容詞で補足します。
- a nice smell(いい香り)
- a pleasant smell(心地よいにおい)
- a strange smell(変なにおい)
- a bad smell(悪臭)
文脈によっては、smell単体で「嫌なにおい」を暗示することもありますが、基本的には形容詞とセットで考えるのが安全です。
また、smellは可算名詞・不可算名詞の両方として使われます。
例文:
- There is a strange smell in the room.(部屋に変なにおいがする)
- I hate the smell of smoke.(煙のにおいが嫌いだ)

smellって、なんとなく悪いにおいの印象があるわ。

確かにそう感じやすいけど、英語では良い香りにも普通に使うよ。
形容詞で決まるんだ。
smellの過去形・過去分詞形
smellには2種類の過去形・過去分詞形があり、これは英語学習者が混乱しやすいポイントです。
- 現在形:smell
- 過去形:smelled / smelt
- 過去分詞:smelled / smelt
意味や使い方に違いはなく、地域差によるものです。
- アメリカ英語:smelled が一般的
- イギリス英語:smelt もよく使われる
どちらを使っても文法的に正しいため、学習者は一方に統一して覚えるのがおすすめです。
例文:
- The milk smelled bad.(牛乳が臭かった)
- The kitchen smelt like fish.(キッチンが魚くさかった)

smeltを見ると、つづりミスかと思ってた。

それ、よくある勘違いだね。
イギリス英語では普通だから安心して。
smellの発音と読み方
smellの発音は /smel/ です。
カタカナでは「スメル」と書かれることが多いですが、実際は短く、軽く切る音になります。
ポイントは以下の2つです。
1.語尾の ll は伸ばさない
2.母音は「エ」に近い短い音
- × スメェール
- ○ スメル
また、smellは語頭に子音が続くため、発音が崩れやすい単語でもあります。
「s → m → e → l」と一音ずつ意識すると安定します。

どうしても長く言っちゃう…。

最後を伸ばさず、止める意識をすると一気に英語っぽくなるよ。
smellの核心:状態(におう)と動作(嗅ぐ)のルール解説
状態を表す使い方:The room smells good の構造と「形容詞」のルール
- The room smells good.(その部屋はいいにおいがする)
このsmellは「状態」を表す使い方です。
話し手が何か行動しているわけではなく、部屋がどんな状態かを説明しています。
ここで重要なのが、smellの後ろには副詞ではなく形容詞が来るというルールです。
これはsmellが「主語の状態」を説明する動詞だからです。
- 正:The room smells good.
- 誤:The room smells well.
wellを使うと「うまく嗅ぐ」という意味合いになり、文の意図とズレてしまいます。
このルールは smell だけでなく、taste / sound / look などの感覚動詞にも共通しています。
例文:
- The soup tastes good.(スープはおいしい)
- The music sounds nice.(音楽がいい感じだ)

goodじゃなくてwellを使いたくなる…。

英語では「何がどういう状態か」を言っているから形容詞なんだ。
人が何かをする話じゃない、って考えると分かりやすいよ。
動作を表す使い方:He is smelling the flower(嗅いでいる最中)の進行形
- He is smelling the flower.(彼は花のにおいを嗅いでいるところだ)
この文のsmellは「状態」ではなく、意識的な動作を表しています。
鼻を近づけて嗅ぐ、という行為が進行中なので、進行形が使えます。
ここが混乱しやすい点ですが、smellは基本的に状態動詞でも、動作として使うときは進行形が可能です。
例文:
- She smelled the soup carefully.(彼女はスープのにおいを注意深く嗅いだ)
- He was smelling the milk to check if it was bad.(彼は牛乳が傷んでいないか確かめるために嗅いでいた)

状態動詞なのに、進行形にできるんですね。

そう。ポイントは「今まさに嗅ぐ動作をしているかどうか」だよ。
「smell like + 名詞」の形:〜のようなにおいがする、の基本ルール
smell like + 名詞 は「〜のようなにおいがする」という意味で、smellの中でも特によく使われる形です。
例文:
- It smells like coffee.(コーヒーみたいなにおいがする)
- This room smells like smoke.(この部屋、煙くさい)
この形は「何のにおいか」を説明する状態表現なので、進行形にはしません。
- 正:It smells like coffee.
- 誤:It is smelling like coffee.
また、likeの後ろには名詞が来るのが基本ですが、food / perfume / rain など具体的なイメージを伴う語がよく使われます。

今におってる最中でも進行形にしないの?

うん。「どんなにおいか」を言っているだけだから、常に状態として扱うんだ。
自動詞/他動詞の見分け方と初心者が間違いやすい注意点(進行形の可否など)
smellは、自動詞と他動詞の両方で使える動詞です。
この違いを理解すると、進行形にできるかどうかも自然に判断できるようになります。
自動詞(状態):
- The milk smells bad.(牛乳が臭う)
他動詞(動作):
- She smelled the milk.(彼女は牛乳のにおいを嗅いだ)
自動詞の場合、主語は「人」以外になることが多く、進行形にはしません。
一方、他動詞の場合は人が主語になり、目的語を取ります。
- The fish is smelling bad.(✕ 不自然)
- He is smelling the fish.(○ 魚のにおいを嗅いでいる)
進行形にできるか迷ったらどうすればいいの?

「誰が何をしている文か?」を考えるといいよ。
人が行動していれば動作、そうでなければ状態だから。
比喩的な意味で使うsmell:直感や怪しさを表す
怪しい・違和感を表すイディオムと使い方
smellは比喩的に「怪しいと感じる」「違和感を察知する」という意味でも使われます。
この場合、においそのものではなく、何かがおかしい・不自然だと感じる感覚を表現します。
特に日常会話やカジュアルなビジネス会話でよく使われます。
例文:
- I smell trouble.(トラブルの気配を感じる)
- Something smells off here.(何かおかしい気がする)
このように、smellは文字通りのにおいから抽象的な直感や違和感の表現に転用されることが多く、慣れると文章や会話でのニュアンスがつかみやすくなります。

においじゃないのにsmellを使うんですね。

「感覚で察する」って意味が残っているから、直感や違和感の表現にも自然に使えるんだ。
「何か怪しい(におうぞ)」:I smell something fishy.
- I smell something fishy.(何か怪しいぞ/胡散臭い)
直訳すると「魚っぽいにおいがする」ですが、英語では「怪しい・不自然」という意味の慣用句です。
口語でよく使われ、疑念や不審感を表すときに便利です。
例文:
- I smell something fishy about this deal.(この取引、どこか怪しい気がする)

fishyって魚の話じゃないの?

英語では「胡散臭い」のイディオムとして定着しているよ。
文字通りの魚は関係ないね。
「ピンとくる・予感がする」:直感としてのsmell
smellは、においの感覚から転じて直感や予感を表す表現としても使えます。
言語化しにくい感覚を、smellで表すイメージです。
例文:
- I smell trouble.(嫌な予感がする)
- I smell a chance.(チャンスの気配を感じる)
- He smelled that something was wrong.(彼は何かおかしいと直感した)
この表現は、ビジネスや日常会話で「何かを察知した感覚」を柔らかく伝えたいときに便利です。

直感としてsmellを使えるんですね。

目に見えないものでも、感じた違和感やチャンスを自然に表現できるんだ。
慣用句:I smell a rat.
- I smell a rat.(何か裏がある気がする/陰謀や裏切りを察知する)
ratは「ネズミ」のことですが、英語では「裏がある・怪しい」と直感した状況で使われる慣用句です。
疑念を強く表すフレーズで、少し劇的なニュアンスがあります。
例文:
- I smell a rat in this project.(このプロジェクトには裏がある気がする)
ビジネスでもジョーク交じりに使えますが、相手や場面を選ぶ表現です。

ネズミって意味なのにどうしてそんな意味になるの?

慣用句だから覚えるしかないけど、感覚的には「何かこそこそしている」ってイメージだね。
例文で学ぶsmellの使い方 — 日常・ネガティブ・フォーマル別
日常会話の例文:料理・香水・自然の香りについて言う表現
日常生活でsmellを使うシーンは多く、料理、香水、自然の香りなどが典型例です。
状態動詞として使う場合は何がどんなにおいかを伝える形になるのがポイントです。
例文:
- This bread smells amazing.(このパン、すごくいいにおい)
- I love the way this perfume smells.(この香水の香りが好き)
- The air smells fresh after the rain.(雨の後の空気はさわやかだ)
- These flowers smell wonderful.(この花は素敵な香りがする)
- The soup smells delicious.(スープがとてもおいしそうな香りがする)

香りを表現するときはsmellが便利なんですね。

tasteやlookと同じく感覚動詞だから、状況をそのまま自然に伝えられるんだ。
ビジネスの「直感」を形に:チャンスやリスクを嗅ぎ分けるsmellの表現
smellはビジネスシーンでも、直感やリスクの察知を表すのに使えます。
文字通りににおいを嗅ぐわけではなく、経験や勘でチャンスや問題を察する感覚を表現するイメージです。
例文:
- I smell a potential risk in this plan.(この計画にはリスクの気配を感じる)
- She smelled an opportunity early.(彼女はいち早くチャンスを察知した)
- The manager smelled something off in the report.(マネージャーは報告書に違和感を感じた)
- Investors smelled trouble before the market crash.(投資家たちは市場の暴落前に危険を察知した)

ビジネスでsmellを使うと、ちょっとカジュアルな印象にならない?

少しラフだけど、直感や違和感を伝えるのに自然な表現だよ。
文脈で正式度を調整すれば問題ないから。
「臭い(悪いにおい)」と言いたい時のsmellの使い方と、注意すべきスラング表現
悪いにおいを表現するときもsmellは使えますが、人に向けて直接言うと失礼になるので注意が必要です。
日常会話ではカジュアルなスラングも存在します。
例文:
- Something smells bad in the fridge.(冷蔵庫の中、何か臭う)
- This place smells terrible.(ここ、すごく臭い)
- The garbage smells awful.(ゴミがひどく臭う)
※ 人に対して You smell. と言うのは失礼です。
代わりに以下の表現が自然です:
- Your shirt smells funny.(シャツが変なにおいがする)
- There’s a strange odor coming from your bag.(バッグから変なにおいがしている)

人に直接言うと失礼なんですね。

自分の感覚を言うなら、物や場所に向けて言う方が無難だよ。
まとめ
smellは「におう/嗅ぐ」だけでなく、状態や動作、比喩表現まで幅広く使える英語の感覚動詞です。
日常会話では料理や香水、自然の香りを表現し、ビジネスではリスクやチャンスを直感的に察知する表現にも使えます。
悪臭を表す場合は、人に直接言うのを避けるなど注意も必要です。

smellって、においだけじゃなくて直感とか違和感も表現できるんですね。

状態・動作・比喩の3つを理解すると、自然に使い分けられるよ。

進行形にできるかどうかも、誰が何をしているかで判断するんですね。

感覚を伝える動詞だから、状況を意識すると間違えにくくなるんだ。

これで日常でもビジネスでも安心して使えそう。

あとは実際に使って慣れるだけだよ。


smellって、ずっと「嗅ぐ」だと思ってた。