今さら聞けないacquireの意味と使い方まとめ
英語の動詞 acquire は、「手に入れる」と訳されることが多いものの、実際には時間・努力・経験を通じて身につけるという重要なニュアンスを含んでいます。
日常英会話からビジネス英語、ニュース記事、学術分野まで幅広く使われるため、単語レベルの理解にとどまらず、使われる場面や他の類義語との違いを把握することが不可欠です。
本記事では、acquire の意味・発音・使い方・類義語との比較を通して、実践的に使える知識として整理します。
目次
acquireの基本情報
acquireの動詞の意味は?
acquire は動詞で、「取得する」「習得する」「獲得する」を中心とした意味を持ちますが、最大の特徴は時間・努力・経験といったプロセスを経て手に入れるという点です。
一時的・偶然的に得たものよりも、徐々に身につき、結果として自分のものになる対象に使われます。
対象としてよく使われるのは以下のようなものです。
- 知識・スキル・言語(acquire knowledge / skills)
- 習慣・性格・癖(acquire a habit)
- 評判・地位・影響力(acquire a reputation)
- 企業・資産・権利(acquire a company / assets)
このように、acquire は「手に入った瞬間」よりも、そこに至る過程や積み重ねに焦点がある動詞です。
そのため、get や take よりもフォーマルで、文章語・ビジネス英語でよく使われます。


意味は近いけど、ニュアンスが違うね。
acquire は“努力して身につけた結果”を強調するんだ。

じゃあ、落とし物を拾った場合には使わない?

基本的には使わないね。
知識やスキル、会社の買収みたいな“重みのある取得”が得意な動詞だよ。
acquireの読み方と発音
acquire の読み方は アクワイア、発音記号は /əˈkwaɪər/ です。
発音のポイントは、最初の「a」が弱母音(シュワ)で発音される点にあります。
そのため、日本語カタカナのように「ア」を強く言うと不自然になりがちです。
実際の音は「アクワイア」よりも、「ア(弱)・クワイァ」に近く聞こえます。
後半の quire の部分にアクセントが置かれます。
また、速い会話では語尾の r 音が軽くなり、なめらかにつながります。

acquire って、全部はっきり発音した方がいい?

最初の a は軽くでいいよ。
「ア」を強く言うと英語っぽくなくなる。

アクセントは後ろ?

そう。kwaɪ の部分を意識すると通じやすいよ。
acquireに関連する名詞とその意味
acquire には、実用性の高い関連名詞がいくつかあります。
特にビジネス英語やアカデミックな文章では、動詞より名詞形が使われることも少なくありません。
- acquisition(名詞)
取得、獲得、(特に)企業買収
例:merger and acquisition(合併と買収) - acquirer(名詞)
取得する人、買収する側の企業 - language acquisition(専門表現)
言語習得(第二言語習得論などで頻出)
中でも acquisition は、ニュース・IR資料・経済記事で非常によく使われる重要語です。
単なる purchase(購入)ではなく、戦略的・長期的な取得を示します。

acquisition って、いつもビジネスニュースで見るわ。

うん、ほぼ企業買収の意味だね。
buy よりもフォーマル。

動詞の acquire とセットで覚えると分かりやすいね。

その覚え方が一番おすすめだよ。
acquireの具体的な使い方
日常会話での例文
日常会話では get が最もよく使われるため、acquire はやや硬く聞こえることがあります。
しかし、習慣・癖・評判・考え方など、時間をかけて身についたものを表す場合には、会話でも自然に使えます。
特に「いつの間にか身についた」「気づいたらそうなっていた」というニュアンスを出したいときに効果的です。
- She acquired a habit of checking her phone before bed.
- He acquired a reputation for being reliable.
このように、単なる行動ではなく、継続の結果として定着したものに向いています。

日常会話だと acquire は浮いてしまう?

物をもらった話だと不自然だけど、習慣や評判なら問題ないよ。

確かに get より説明的だね。

そう。少し知的な響きも出るからね。
ビジネスシーンでの使い方
ビジネスシーンにおける acquire は、「企業・資産・権利・顧客・経験などを戦略的に取得する」という意味で使われます。
単なる購入行為ではなく、長期的な成長や価値向上を目的とした取得を示すため、非常にフォーマルで信頼性の高い表現です。
特に以下のような文脈でよく使われます。
- 企業買収・合併(acquire a company / subsidiary)
- 技術・ノウハウの取得(acquire technology / expertise)
- 経験・実績の蓄積(acquire experience)
メール、契約書、プレゼン資料などでも自然に使えるため、ビジネス英語では必須語彙と言えます。

ビジネス英語だと、buy はあまり使わない方がいい?

日常的な購入ならいいけど、企業や資産なら acquire が自然だね。

フォーマルさを出したいときに便利そう。

そう。戦略的な取得を表したいときは acquire 一択だよ。
習得や取得を表す場面での利用方法
acquire が最も力を発揮するのが、知識・言語・スキルなどの習得を表す場面です。
これらは一瞬で手に入るものではなく、学習や経験の積み重ねによって形成されるため、acquire のニュアンスと非常によく合います。
よく使われる組み合わせには以下があります。
- acquire knowledge(知識を習得する)
- acquire skills(技能を身につける)
- acquire fluency(流暢さを身につける)
教育・研究分野では language acquisition(言語習得) のように専門用語としても定着しています。

learn と acquire はどう違うの?

learn は学ぶ行為、acquire は身についた結果に近いね。

自然に使えるようになる感じだね。

そう。時間をかけて定着したニュアンスが出るよ。
acquireと似た意味の単語の違い
acquireとgainの違い
acquire と gain はどちらも「得る」と訳されますが、注目点が異なります。
acquire は過程・習得に焦点があり、時間や努力を経て自分のものになる感覚を含みます。
一方、gain は結果・増加に焦点があり、量や程度が増えたことを強調します。
使い分けの目安は以下の通りです。
- acquire:知識・スキル・評判・企業など(プロセス重視)
- gain:利益・自信・体重・支持など(結果重視)
例:
- acquire technical skills(技術的スキルを身につける)
- gain confidence after practice(練習の結果、自信が増す)

confidence は acquire でも gain でも見るね。

どちらも可能だけど、gain は“増えた結果”、acquire は“身についた感覚”が強いよ。

過程を言いたいなら acquire なんですね。
acquireとobtainの違い
acquire と obtain はどちらもフォーマル寄りの語ですが、意味の焦点が異なります。
acquire は時間や経験を通じて自然に身につく取得を表すのに対し、obtain は申請・手続き・努力の結果として入手することを強調します。
典型的な使い分けは以下の通りです。
- obtain:免許、許可、情報、証明書
- acquire:知識、スキル、言語能力、評判
例:
- obtain a visa(ビザを取得する)
- acquire programming skills(プログラミング技能を習得する)

資格は acquire じゃダメ?

不自然ではないけど、普通は obtain を使うね。

acquire は内面的なもの向きなんですね。
purchaseと比較した場合の使い方の相違
purchase は「金銭を支払って買う」という事実を示す、非常に具体的な動詞です。
一方 acquire は、購入・譲渡・買収などを含む広い意味での取得を表します。
そのため、purchase は日常的な取引や会計処理向き、acquire は戦略的・長期的な取得向きです。
例:
- purchase office supplies(備品を購入する)
- acquire intellectual property(知的財産を取得する)

会社が特許を買う場合は?

purchase も言えるけど、文書では acquire が好まれるね。

意味の範囲が広いから?

そう。金銭以外の要素も含められるから。
acquired tasteとは?独特な使い方
acquired taste は直訳すると「後天的に身についた好み」で、「最初は苦手だが、慣れると良さが分かるもの」を指します。
特に味覚だけでなく、音楽・芸術・趣味など幅広い対象に使われます。
ポイントは、「生まれつき好き」ではなく、経験を重ねることで好みになる点です。
例文:
- Bitter beer is an acquired taste.
- Jazz can be an acquired taste for some people.

acquired taste って食べ物専用?

いや、音楽や映画にも使えるよ。

acquire の本来の意味がよく出てますね。

まさに“慣れて身についた好み”だよ。
まとめ
acquire は「取得する」「習得する」を意味する動詞ですが、その本質は過程を経て自分のものになる点にあります。
スキル・知識・評判・企業買収など、重みのある対象と結びつきやすく、get や buy よりもフォーマルで知的な印象を与えます。
類義語(gain / obtain / purchase)との違いを理解することで、文脈に応じた正確な表現が可能になります。

acquire って、思ったより奥が深い単語ですね。

そうだね。
“手に入れる”より、“身についた結果”を意識すると使いやすいよ。

だからスキルや会社の買収によく使われるんだ。

その通り。
類義語と使い分けられたら、英語表現が一段レベルアップするよ。


acquire って、結局は get と同じ意味?