trustの意味は?believeとの違いはあるの?
英語の trust は、日本語では一般的に「信じる」と訳されますが、実際にはそれ以上に深い意味を持つ動詞です。
特に believe との違いは、日本人学習者が混乱しやすいポイントの一つです。
本記事では、trust の基本的な意味から believe との使い分け、日常会話やビジネスでの実践的な用法までを体系的に解説します。
単なる訳語ではなく、「英語としての考え方」を理解することを目的としています。
trustの基本定義
動詞としてのtrust:相手を「信頼する」の本質的な意味
trust は、「相手を信頼する」「任せる」「裏切られないと考える」という意味を持つ動詞です。
日本語の「信じる」よりも範囲が狭く、かつ深く、相手の人格・能力・誠実さを前提にして行動や判断を委ねるという点が核心になります。
重要なのは、trustは“リスクを取る行為”を含むということです。
相手を完全にコントロールできない状況でも、「それでも任せて大丈夫だ」と判断するニュアンスが含まれます。
そのため、trustは人・組織・判断力など、主体性を持つ対象と一緒に使われることが多いです。
- I trust him. = 彼は信頼できる人だ(だから任せられる)
- I don’t trust the system. = その仕組みは信用できない
- She trusted me with the project. = 彼女はその仕事を私に任せてくれた
また、trustは感情的な好意とは必ずしも一致しません。
好きではなくても信頼できる場合もあり、逆に好意があってもtrustできないこともあります。


事実を信じるというより、「判断や結果を任せられる人だ」と思っている点が大事だよ。
名詞としてのtrust:信頼、独占、信託
trust は文脈によって意味が大きく変わる単語ですが、核にあるのは常に「信頼」という概念です。
そこから派生して、経済・法律の分野ではより専門的な意味で使われます。
信頼・信用(最も一般的):
人間関係やビジネスにおける「信用」「信頼関係」を表します。
- Trust is essential in a relationship.
- Once trust is broken, it’s hard to rebuild.
独占・企業結合(経済用語):
複数の企業が結合し、市場を支配する形態を指します。
19〜20世紀のアメリカ経済の文脈でよく使われました。
- an oil trust(石油トラスト)
- anti-trust law(独占禁止法)
信託(法律・金融):
財産を第三者に管理・運用させる仕組みを指します。
- set up a trust for children
- manage assets through a trust

同じtrustでも意味が全然違いますね。

分野ごとの用法だけど、根っこには「信用して任せる」という考え方が共通しているよ。
trustの発音と読み方:カタカナ英語を卒業するコツ
trustの発音は /trʌst/ です。
カタカナで書くと「トラスト」ですが、実際の英語音とはかなりズレがあります。
発音のポイントは3つあります。
tr の連結:
t と r を分けず、一気に「トゥル」に近い音で出します。
母音 /ʌ/ は弱く短く:
日本語の「ア」ほど開かず、「ァ」と喉の奥で軽く出す感覚です。
語尾の t をはっきり止める:
日本語の「ト」まで言い切らず、息を止めて終わります。
イメージとしては、「トゥラ(ァ)スト(ッ)」のような感覚です。
- trust /trʌst/
- trusted /ˈtrʌstɪd/
- trustworthy /ˈtrʌstwɜːrði/

ずっと「トラスト」って言ってた…。

それでも通じるけど、短く鋭く言えると一気に英語っぽくなるよ。
徹底比較!trustとbelieveの違いと使い分け
確信のbelieve vs 信頼のtrust:ニュアンスの対比
believe と trust は、どちらも日本語では「信じる」と訳されますが、英語では意味の焦点が大きく異なります。
この違いを理解するには、「何を対象にしているか」「どこまで関与しているか」を意識することが重要です。
まず believe は、情報・意見・事実が「正しいと思う」「本当だと判断する」という意味を持つ動詞です。
判断の対象はあくまで内容そのものであり、話し手は主に頭で是非を判断しています。
そのため、感情的な関与は比較的少なく、一時的・状況限定でも使いやすい表現です。
believe には基本的に「任せる」「責任を預ける」という要素は含まれません。
一方で trust は、人や組織、その判断力や誠実さに対して「任せても大丈夫だと思う」ことを表します。
単に正しいと思うだけでなく、相手に判断や行動を委ねる姿勢が含まれる点が最大の特徴です。
そのため trust には、人間関係や継続性、さらには裏切られる可能性というリスクも内包されています。
この違いを踏まえると、次の例文の意味の差がはっきりします。
- I believe what he said.(彼の発言は正しいと思う)
- I trust him.(彼という人間を信頼し、任せている)

どちらも「信じる」なのに、重みが違いますね。

そう。believe は認識の話、trust は人間関係と責任の話なんだ。
判断基準:いつtrustを使い、いつbelieveを選ぶべきか
使い分けで迷ったときは、「責任や判断を預けているか?」を基準にすると明確になります。
trustを使う場面:
- 相手に判断・行動を任せる
- 長期的な関係性や信用が前提
- 裏切られる可能性を含んでいる
例文:
- I trust you with this task.(この仕事を君に任せる)
- We trust our partner company.(取引先を信頼している)
believeを使う場面:
- 情報・噂・意見の真偽を判断する
- 一時的・状況限定の判断
- 人ではなく内容が主語になりやすい
例文:
- I believe the news report.(その報道は本当だと思う)
- I don’t believe this will work.(うまくいくとは思えない)

人が主語でもbelieveは使えますよね?

使えるけど、その場合でも「その人の言った内容」を信じているだけで、人格を信頼しているとは限らないよ。
一目でわかる例文比較:同じ「信じる」でもこれだけ違う
同じ場面でも、believe と trust を使い分けることで意味が大きく変わります。
人に対して:
- I believe her.
→ 彼女の言っていることは本当だと思う - I trust her.
→ 彼女なら任せても大丈夫だと思う
専門家に対して:
- I believe this doctor.
→ この医者の説明は正しいと思う - I trust this doctor.
→ この医者に治療を任せている
物事・仕組みに対して:
- I believe this system works.
→ この仕組みは機能すると考えている - I trust the system.
→ この仕組みに判断を委ねている

trustのほうが責任が重い感じですね。

そう。だからビジネスや人間関係では、trustを使うと発言の重みも増すんだ。
trustを使いこなす!日常・ビジネスの実践フレーズ
日常会話:友人やパートナーとの絆を表す表現
日常会話で使われる trust は、「相手を疑っていない」というよりも、安心して心を預けている状態を表します。
そのため、友人・家族・恋人など、感情的なつながりがある関係でよく使われます。
- I trust you.(あなたを信頼している)
- You can trust me.(私を信じていいよ)
- It’s hard to trust people sometimes.(人を信じるのは難しい時もある)
これらの表現は、事実の正しさを主張するというより、関係性の深さや安心感を伝える役割を果たします。
そのため、場面によっては少し重く、真剣な響きを持つこともあります。
軽い雑談よりも、気持ちをはっきり伝えたい場面で使われることが多い点も特徴です。
また、否定形で使うと感情的な距離を強く表します。
- I don’t trust him anymore.(もう彼を信頼していない)
このように、日常会話での trust は、人間関係の温度を示す言葉だと言えます。

"I trust you." って重く感じない?

軽い雑談では使わないけど、大事な場面では関係を強める言葉になるよ。
ビジネス・契約:信頼関係と責任の譲渡
ビジネスシーンにおける trust は、感情よりも 責任・判断・権限の委譲 という意味合いが強くなります。
「信用している」というより、「任せる体制が整っている」というニュアンスです。
- We trust your judgment.(あなたの判断に任せます)
- The company is trusted by its clients.(その会社は顧客から信頼されている)
- This position requires a high level of trust.(この役職には高度な信頼が求められる)
ここでの trust は、ミスが起きる可能性を理解した上で、それでも権限を渡すという意味を含みます。
そのため、責任とセットで語られることが多く、契約・管理職・委任業務などで頻出します。
また、個人だけでなく、組織全体の信用度を示す抽象名詞としても使われます。

ビジネスの trust はドライですね。

感情じゃなくて、「誰に任せるか」という判断なんだ。
前置詞で変わる意味:trust in / trust A with B / trust A to B
trust は前置詞や構文と結びつくことで、「どのように信頼しているか」を具体的に表せる動詞です。
ここを押さえると、表現の精度が一気に上がります。
trust in A:A を信頼する(価値観・能力・考え方):
- I trust in his leadership.(彼のリーダーシップを信じている)
→ 抽象的・精神的な信頼を表し、ややフォーマルな響きがあります。
trust A with B:A に B を任せる:
- She trusted me with her secret.(彼女は秘密を私に任せた)
→ 「何を任せたか」が明確で、日常会話・ビジネス両方でよく使われます。
trust A to B:A が B するのを信頼する:
- I trust him to do the right thing.(彼が正しいことをすると信じている)
→ 相手の行動・判断に期待して任せるニュアンスです。

前置詞だけで意味がかなり変わりますね。

trust は「信頼の方向」を一緒に表す動詞なんだ。
まとめ
trust は、単に「信じる」という意味にとどまらず、相手に判断や行動を任せる覚悟を含んだ動詞です。
一方、believe は情報や意見が正しいと認識することを表し、責任の委譲までは含みません。
両者の違いは、「何を信じているのか」「どこまで関与しているのか」という点にあります。
trust は人や組織、判断力に向けられ、関係性や継続性が前提になります。
believe は事実や発言など内容に向けられ、一時的な判断にも使えます。
この視点を持つことで、使い分けに迷う場面は大きく減ります。

結局、どう考えれば一番分かりやすいの?

「責任を預けているかどうか」で考えるといいよ。
任せているなら trust、内容を正しいと思うだけなら believe。

人には trust、情報には believe、が基本ですね。

そう。そこから文脈で微調整できるようになると、英語らしい表現になるよ。


"I trust him."って、ただ「信じてる」って意味?