なぜ「吹く」が「失敗する」に?blowの意味が広がる理由を解説
英単語 blow は「吹く」という基本的な意味で学ばれることが多い動詞ですが、実際の英語では「失敗する」「台無しにする」「強い衝撃を与える」など、幅広い意味で使われます。
こうした意味の違いは、単なる暗記ではなく、物理的な動きから抽象的な概念へと広がるメタファー(比喩)を理解することで整理できます。
本記事では blow(動詞) を中心に、意味の広がり・句動詞・定番表現を、初心者にも分かりやすい形で解説していきます。
blowの基本を解説
blowの動詞の意味
動詞 blow の基本イメージは「空気が一気に強く動く」ことです。
そこから、単なる「吹く」だけでなく、力・勢い・瞬間的な変化を伴う動作や出来事を表すようになりました。
具体的には、次のような意味があります。
- (風・空気が)吹く:自然現象としての基本用法
- (息・風を)吹きかける:人為的な動作
- (爆弾・装置などが)爆発する:急激な変化
- (計画・チャンスなどを)台無しにする、失敗する:比喩的用法
特に最後の「失敗する」という意味は、強い力によって状態が一気に壊れるというイメージから生まれています。


そこが出発点だけど、「勢いで一気に変わる」感じがあるから、失敗や爆発にも使われるんだ。
blowの名詞の意味
名詞の blow は「打撃」「衝撃」「痛手」を意味します。
ここでも動詞と同様に、一瞬で大きな影響を与える力が共通イメージです。
物理的な意味では、拳や武器による一撃を指しますが、比喩的には次のような場面で使われます。
- 精神的ショック:bad news was a blow
- 経済的・組織的ダメージ:a blow to the company
- 評判や信頼への痛手:a serious blow to his career
「ダメージ」よりも、「予想外で重い一撃」というニュアンスが強いのが特徴です。

damage と blow はどう違うの?

blow は「一発でガツンと来る衝撃」を強調したいときに使うよ。
blowの過去形・過去分詞形
blow は不規則動詞で、形の変化に注意が必要です。
英語学習者が間違えやすい動詞の一つでもあります。
- 原形:blow
- 過去形:blew
- 過去分詞形:blown
特に過去分詞 blown は、「失われた」「台無しになった」という結果を表す文でよく使われます。
例文:
- He blew his chance.
- The opportunity was blown.

つい blowed って言いそうになる…。

気持ちは分かるけど、blew / blown はセットで覚えるのがコツだね。
blowの発音と読み方
blow の発音記号は /bloʊ/ です。
日本語の「ブロー」よりも、語尾をなめらかに伸ばすイメージがあります。
発音のポイントは次の2点です。
- bl をはっきり発音する
- ow を「オウ」と二重母音で伸ばす
発音が曖昧だと blue や below に聞き間違えられることがあります。

「ブロ」って短く言ってた。

「ブロウ」って少し伸ばすと、ネイティブに通じやすくなるよ。
blowが吹く→失敗するに変わる理由
メタファーの拡張:力・衝撃・消滅のイメージがもたらす意味変化
blow の意味拡張を理解するうえで重要なのが、「力」「衝撃」「消滅」という3つのイメージです。
もともと blow は、風が吹く・息を吹きかけるといった目に見える物理現象を表していました。
しかし英語では、この物理的な動きが比喩として使われ、次のような連想が生まれます。
- 強い風で火が消える
→ チャンスや希望が消える - 衝撃で物が壊れる
→ 計画や関係が壊れる - 爆発で状況が一変する
→ 物事が一気に悪化する
このように、「何かが一瞬で失われる」「元に戻せない」という感覚が抽象化され、「失敗する」「台無しにする」という意味へと発展しました。

どうして blow が「失敗する」になるのか、まだ不思議。

風で火が消える感じを想像してみて。
チャンスが一瞬で消えるイメージなんだよ。
物理的な現象から「コントロール不能」という比喩表現へ
風や爆発には共通点があります。
それは、人の意思では完全に制御できない力だということです。
blow が比喩的に使われるとき、この「コントロール不能」という感覚が前面に出ます。
そのため blow を使った表現には、
- 注意していたのに防げなかった
- 一瞬の出来事で取り返しがつかなくなった
- 状況が自分の手から完全に離れた
といったニュアンスが含まれます。
- He blew his last chance.
この文は単なる「失敗」ではなく、「自分で何とかできたはずのものを、一気にダメにしてしまった」という重さを伝えます。

fail と比べると重く感じますね。

そう。blow は「制御不能になった結果の失敗」を強調したいときに使うんだ。
blowは句動詞で意味が変わる
blow upの意味と用例
blow up は blow の「強い力が一気に加わる」というイメージが最も分かりやすく表れる句動詞です。
文脈によって意味が大きく変わるため、イメージ理解が重要になります。
主な意味は次の3つです。
- 爆発する:物理的に破裂・爆発する
- 怒り出す:感情が爆発する
- (写真・画像などを)拡大する:サイズを大きくする
いずれも「内側に溜まったものが一気に外へ出る」という共通点があります。

blow up って意味が多くて混乱する。

中にあるものが一気に広がる、ってイメージを持つと整理しやすいよ。
blow outとblow offの使い分け
blow out と blow off はどちらも日常でよく使われますが、方向性のイメージが異なります。
blow out:
- 風で消える・内側から破裂する
- ろうそくを吹き消す
- タイヤが破裂する
blow off:
- 相手や予定を切り離す・無視する
out は「中身がなくなる」、off は「関係を断つ」と考えると分かりやすくなります。

どっちもネガティブな感じですね。

そうだね。でも out は現象、off は態度や行動に使われやすいよ。
blow your mind / blow me awayは?
これらは blow の「衝撃」のイメージをポジティブな意味で使った口語表現です。
頭や心が強い刺激を受ける感覚を表します。
- blow your mind:考えが追いつかないほど驚かせる
- blow me away:感動や実力で圧倒する
否定的な「失敗」とは正反対ですが、「強烈なインパクト」という点では共通しています。

blow なのに良い意味なんですね。

うん。衝撃がプラスに働くときの表現だよ。
日常で混同しやすい句動詞パターンと対処法
blow を使った句動詞は意味が多岐にわたるため、丸暗記すると混乱しがちです。
対処法としては、
- blow の基本イメージ(強い力)を押さえる
- 前置詞・副詞の方向性(up / out / off)を見る
この2点を意識すると理解しやすくなります。
- blow up:内側から一気に広がる
- blow out:中身が消える・失われる
- blow off:関係を切る・軽視する

全部、別の単語みたいに見えるわ。

でも軸は同じよ。
blow の力のイメージを中心に考えてみて。
例文で学ぶblowの使い方とパターン別例文集
日常会話でよく使う例文
日常会話では blow は短く感情を伝える動詞として使われます。
特に多いのが「失敗した」「台無しにした」という自己評価を表す場面です。
深刻さの度合いは文脈で調整でき、軽いミスから大きな後悔まで幅広く対応できます。
よく使われるパターンには次のようなものがあります。
- I blew it.(やっちゃった/失敗した)
- Don’t blow this.(これを台無しにするな)
- I really blew my chance.(本当にチャンスを逃した)

I blew it. って軽すぎない?

口調次第だよ。
冗談にも本気の後悔にも使える便利な表現なんだ。
ビジネスで使うblow
ビジネスでは blow はややカジュアルですが、「計画・予算・信頼を台無しにする」という意味で使われます。
社内の会話や比較的フランクなミーティングでは自然に使われる一方、正式文書では避けられることが多いです。
代表的な使い方は次のとおりです。
- blow the budget(予算を大幅に超過する)
- blow the deal(取引を台無しにする)
- blow our schedule(予定が崩れる)

上司に blow を使っても大丈夫?

口語の場ならOK。
でも書き言葉では ruin や damage の方が無難だね。
blowの定番フレーズと慣用表現
説明
blow を使った慣用表現は、「一瞬で悪い結果になる」という共通イメージを持っています。
短くて感情が伝わりやすいため、会話英語で非常によく使われます。
代表的なフレーズには次のようなものがあります。
- blow it:失敗する、やらかす
- blow a chance:チャンスを逃す
- blow the budget:予算を超過する
これらは fail よりも感情的で、「取り返しがつかない感じ」を強調します。

fail とどう使い分ければいいの?

感情や後悔を出したいなら blow、事実を淡々と言うなら fail だね。
まとめ
blow は「風が吹く」「息を吹きかける」といった物理的な動作から出発し、「強い力が一気に加わる」「コントロール不能になる」という比喩を通して、「失敗する」「台無しにする」という意味へと広がってきました。
句動詞や慣用表現でも、この一瞬性・不可逆性・衝撃というイメージは一貫しています。

blow って、こんなに意味が広がってたんですね。

うん。「強い力で一気に変わる」という軸を押さえると、どの使い方も理解しやすくなるよ。

これなら blow it も自然に使えそう。

その感覚でOK。
暗記よりイメージが大事だね。


blow って「風が吹く」だけの動詞だと思ってた…。