依存?次第?dependの意味を感覚で覚える法
英語の depend は、日本語の「依存する」という訳語だけで理解すると、実際の使われ方と大きくズレてしまう動詞です。
日常会話やビジネス英語では、感情的な依存を表すよりも、「結果がどこに左右されるか」「何が条件になるか」を説明するために使われます。
本記事では、depend を単語暗記ではなく、感覚・使いどころ・自然な訳し方の3点から整理し、会話や実務ですぐ使える理解を目指します。
dependの基本解説
dependの動詞の意味は?
depend は「〜に頼る」「〜に左右される」「〜次第で決まる」という意味を持つ動詞です。
最も重要なのは、結果や状態が他の要素に結びついているという感覚です。
日本語の「依存する」は心理的・否定的なニュアンスが強めですが、英語の depend は良い・悪いを含まない中立的な表現です。
そのため、日常会話でもビジネスでも頻繁に使われます。
例えば、
- It depends on the weather.
- Success depends on preparation.
これらは「依存している」というよりも、条件や要因を説明しているだけの表現です。
depend は「頼りきる」というより、「結果がどこに結びついているか」を示す語だと捉えると自然です。


英語ではもっと軽いよ。
「結果が〜にかかっている」という説明表現だと思うと使いやすいから。
名詞との違い
depend は動詞で、「頼る」「左右される」という関係性や動きを表します。
一方、名詞の dependence / dependency は「依存という状態・構造」そのものを指します。
そのため、名詞形は抽象度が高く、フォーマルまたは説明的な文脈で使われることが多くなります。
ニュース、論文、ビジネス資料などで見かけるのが典型です。
例:
- economic dependence(経済的依存)
- energy dependency(エネルギー依存)
日常会話では、名詞にせず動詞の depend を使う方が自然です。

じゃあ、普段の会話では名詞はあまり使わないんですね。

そう。会話ならほぼ動詞。
名詞は説明用だと思えばいいよ。
dependの発音と読み方
発音記号は /dɪˈpend/ です。
カタカナでは「ディペンド」と書かれますが、実際には後半の -pend にアクセントが置かれます。
日本語的に平坦に読むと不自然になりやすいため、「ディ・ペンド」と後ろを強く意識すると英語らしい発音になります。
また、depend は単体よりも depend on の形で使われることが圧倒的に多いため、音もセットで覚えるのがおすすめです。
- depend on → /dɪˈpend ɑn/

全部同じ強さで読んでた。

後ろにアクセントを置くだけで、かなり通じやすくなるよ。
onとuponの違いと選び方の感覚的ルール
depend on が基本形で、日常会話・ビジネス・メールのすべてで使えます。
迷った場合は on を選べば問題ありません。
depend upon も意味は同じですが、
- ややフォーマル
- 書き言葉寄り
- 「重要度が高い」「決定的に左右される」印象
を与える傾向があります。
例文:
- The outcome depends on your decision.(自然・口語)
- The outcome depends upon several critical factors.(やや硬い・文章)
実用上は意味の違いを意識するより、文のトーン調整として使い分けると理解しやすくなります。

ニュアンスの差は大きい?

意味は同じ。
on は普段用、upon は文章を整えたいとき、で十分だよ。
It dependsの感覚的理解
It dependsの場面別ニュアンスと訳し方
It depends. は英語で非常によく使われる定番表現で、「場合による」「状況次第だ」という意味を持ちます。
重要なのは、これははっきり断る表現でも、投げやりな表現でもないという点です。
It depends は、
- 判断材料がまだ足りない
- 条件が複数あって一概に言えない
- 状況を見て決めたい
といった 中立的な立場 を示す言い方です。
日本語に訳す場合は、文脈に応じて次のように言い換えると自然です。
- 条件次第ですね
- 状況を見ないと何とも言えません
- ケースバイケースです
直訳の「それは依存します」は不自然なので注意が必要です。

It dependsって、冷たく聞こえない?

むしろ逆。
英語では「ちゃんと考えて判断する」という誠実な返事なんだ。
Depend on you / Depend upon you の自然な訳と使い方
depend on you は「あなたに頼っている」「あなた次第だ」という意味ですが、日本語の「依存している」ほど重い表現ではありません。
英語ではむしろ信頼や期待を表す前向きな言い方として使われます。
例えば、
- We’re depending on you.
- It depends on you whether this succeeds.
これらは「任せている」「あなたがカギだ」というニュアンスになります。
depend upon you にすると、意味は同じまま、ややフォーマルで改まった印象になります。
スピーチや文章、強調したい場面で使われることが多いです。
日本語訳のポイントは、
- 依存している → ×
- 頼りにしている/任せている → ○
【会話で確認】

直訳すると重く感じてたわ。

英語ではポジティブ。
信頼を置いているサインなんだ。
Dependsの意味(スラング)や口語表現の注意点
会話では Depends. とだけ言うこともよくあります。
これは It depends. の省略形で、特別なスラングというより口語的な短縮表現です。
友人同士やカジュアルなやり取りでは自然ですが、
- ビジネスメール
- 公式な会議
- 目上の人との会話
では、It depends. を使った方が無難です。
また、Depends. だけで終わるとそっけなく聞こえる場合があるため、
- Depends on the situation.
- Depends on what you mean.
のように 後ろに補足をつける と、より丁寧になります。

Depends. だけだと失礼?

カジュアルならOK。
でも仕事では説明を一言足すのが大人だね。
日常&ビジネスで使えるdependの例文集(使い方)
日常会話で使える基本例文:依存・左右・次第を表すフレーズ
日常会話での depend は、「誰かに依存する」というよりも、状況・条件・気分などに左右されるという意味で使われることが圧倒的に多いのが特徴です。
よく使われるパターンは次の3つです。
It depends on ~(~次第だ):
- It depends on the weather.(天気次第だね)
- It depends on how you see it.(どう見るか次第だよ)
A depends on B(AはBに左右される):
- My mood depends on how much I sleep.(睡眠時間で気分が変わる)
- Prices depend on demand.(価格は需要次第)
depend on 人(頼りにする・任せる):
- Kids depend on their parents.(子どもは親を頼っている)
ここでも「依存」と直訳するより、自然な日本語に置き換えるのがポイントです。

依存って訳さなくても意味が通りますね。

むしろ訳さない方が自然なことが多いよ。
ビジネス英語での使い方例(メール・会議)
ビジネスシーンでは、depend は責任の所在・条件・前提 を整理するための便利な表現です。
感情的な「依存」ではなく、論理的な「条件関係」を示します。
メール・会議でよく使われる例:
- The schedule depends on client approval. (スケジュールはクライアントの承認次第です)
- It depends on the budget. (予算次第です)
- This decision depends on market trends. (この判断は市場動向によります)
ややフォーマルにしたい場合:
- This project depends upon several key factors.

曖昧に聞こえない?

むしろビジネスでは誠実。
前提条件を共有してるだけだよ。
よくある誤用と自然な言い換え
depend は意味よりも前置詞のミスが非常に多い動詞です。
特に注意すべきポイントを整理します。
- × I depend my boss.
- ○ I depend on my boss.
- × It depends of the situation.
- ○ It depends on the situation.
- × I’m depending to you.
- ○ I’m depending on you.
基本ルール:
depend の直後は、ほぼ必ず on が来る
また、日本語の「依存する」に引きずられて、重く考えすぎるのもよくある誤解です。

前置詞は丸暗記ですね

そう。ここは感覚よりルールでOK。
youを主語にした定番表現
you を含む depend 表現 は、日常・ビジネスの両方で非常によく使われます。
多くの場合、ネガティブではなく信頼・期待・責任を表します。
定番表現:
- It depends on you.(あなた次第です)
- You can depend on me.(私を頼っていいよ)
- We’re depending on you.(君が頼りだ)
- You can’t depend on luck alone.(運任せにはできない)
文脈次第で、
- 任せている
- 判断を委ねている
- 責任がかかっている
といった意味合いになります。

思ったより前向きですね。

そう。depend は信頼の言葉でもあるんだ。
まとめ
depend は、日本語訳の印象ほど重い意味を持つ動詞ではありません。
多くの場合、「〜に頼りきる」というよりも、「結果・判断・状況がどこに結びついているか」を示すための、非常に実用的で中立的な表現です。
on / upon の選び方、It depends のニュアンス、you を使った表現などを整理すると、depend は条件・信頼・判断の所在を表す言葉だと分かります。

dependって、もう「依存する」って訳さなくていい気がしてきた。

「結果がどこにつながってるか」を示す言葉だと思えば迷わないよ」

だから It depends も自然なんですね。

うん。英語では一番フェアな答えの一つなんだ。


dependって「依存する」って覚えていたので、使うのが怖かった。