増やす?増える?increaseの意味と自然な使い方
increase は「増やす」「増える」の両方を表せる、英語で非常に使用頻度の高い動詞です。
しかし日本語では意味が分かれるため、「increase は自動詞?他動詞?」「rise や raise とはどう違う?」と混乱しやすい単語でもあります。
この記事では、increase の基本的な意味から、by を使った計算表現、increasing の使い方、英会話・ビジネス英語での実践例、さらに類義語との違いまでを整理し、自然で間違えにくい使い分けを身につけることを目的としています。
基本編:increaseの意味・品詞・発音
increaseの動詞の意味
increase は「増える」「増やす」の両方を表せる非常に汎用性の高い動詞です。
日本語では意味ごとに動詞が分かれますが、英語では increase ひとつでカバーされます。
英語では、主語と目的語の有無によって意味が自然に切り替わります。
自動詞:自然に増える
目的語を取らない場合、increase は「自然に増える」「結果として増加する」という意味になります。
- Sales increased last year.(売上が増えた)
- The population is increasing.(人口が増えている)
この用法では「誰かが意図的に増やした」というニュアンスは含まれず、状況の変化や結果を客観的に述べます。
他動詞:意図的に増やす
目的語を取ると「人や組織が意図的に増やす」という意味になります。
- The company increased prices.(会社が価格を引き上げた)
- We need to increase efficiency.(効率を高める必要がある)
ポイントまとめ:
- 目的語あり → 増やす
- 目的語なし → 増える


目的語がなければ「増える」になるよ。
主語を見るのがコツ。
increaseの名詞としての意味
名詞の increase は「増加」「増加量」「増えたという事実」を表します。
動詞よりも客観的・説明的な響きがあり、ビジネス文書やニュース記事で頻出します。
基本的な形:
- an increase in + 対象
- a ○% increase
例文:
- There was a significant increase in demand.(需要の大幅な増加があった)
- We saw a 15% increase in sales.(売上が15%増加した)
of と in の使い分け:
- increase of:増加量そのもの
- increase in:増加した対象
- an increase of 10% in sales

名詞になると、ちょっと硬い感じですね。

うん。結果や数字を説明するときに使う表現だよ。
increaseの発音と読み方
increase は動詞と名詞でアクセント位置が変わる重要単語です。
意味理解だけでなく、リスニング力にも直結します。
- 動詞:inˈcrease(後ろにアクセント)
- 名詞:ˈincrease(前にアクセント)
実践的な聞き分けのヒント:
- 冠詞(a / the)が前にある → 名詞発音
- 主語の直後に来る → 動詞発音
例文:
- There was an ˈincrease in costs.(名詞)
- Costs inˈcreased rapidly.(動詞)

発音で品詞が分かるんですね。

そう。聞き取れると理解スピードが一気に上がるよ。
使い方ガイド:increaseを自然に使う例文と英語表現
byを使った表現と計算表現のコツ
increase by は「どれくらい増えたか(増やしたか)」という増加量を示す表現です。
数値・割合・数量と非常に相性が良く、計算イメージで理解すると迷いにくくなります。
- Prices increased by 5%.(5%分増えた)
- We increased production by 2,000 units.(2000台分増やした)
ポイントは、「元の数値に何を足したか」に注目することです。
一方、increase to は「最終的にどこまで行ったか(到達点)」を表します。
- Sales increased to $1 million.(100万ドルに達した)
文章中で by / to を混同すると意味が大きく変わるため、ビジネス文書では特に注意が必要です。

by と to、毎回迷う…。

by は「増えた分」、to は「ゴール」。数字の役割で考えるといいよ。
進行中の増加を表すincreasingの使い方と例文
increasing は「増え続けている状態」「上昇傾向にある」ことを表す表現です。
動作そのものよりも、トレンド・傾向に焦点があります。
- There is increasing demand for remote work.
- He showed increasing interest in the project.
現在進行形(is increasing)と似ていますが、increasing は形容詞的に名詞を修飾することが多いのが特徴です。
- increasing + 名詞
- increasing costs
- increasing popularity
ニュース・レポート・説明文で非常によく使われます。

現在進行形とどう違うの?

動きじゃなくて「流れ」を表したいときが increasing だよ。
英会話でよく使うフレーズ集と例文
日常英会話では increase はややフォーマルですが、状況説明では自然に使われます。
- My workload is increasing.
- The cost of living has increased.
- Traffic is increasing these days.
感情を込めるというより、「事実・状態」を淡々と伝えるイメージです。
よりカジュアルに言いたい場合は go up がよく使われます。
- Prices are going up.
ただし、increase を使うと 落ち着いた・知的な印象 になります。

友だちとの会話だと硬い?

少しね。
でも状況説明なら自然だよ。
ビジネス英語よく使う英語表現
ビジネス英語では increase は超頻出動詞です。
数値・成果・改善と非常に相性が良く、抽象度の高い表現にも使えます。
- increase revenue(収益を増やす)
- increase efficiency(効率を向上させる)
- increase productivity(生産性を高める)
- increase market share(市場シェアを拡大する)
これらは「結果志向・目標志向」の文脈で使われ、プレゼン・会議・レポートで定番の表現です。
また、受動態でもよく使われます。
- Costs were increased due to inflation.

ビジネスだと increase ばかり見るわ。

数字と改善を語る言葉だからね。
避けて通れないよ。
増えるか増やすか?increaseとの違いとニュアンス
increaseとriseの違い:使い分けと例文
increase と rise はどちらも「増える」「上がる」を表しますが、使える場面と視点が異なります。
increase の特徴:
- 自動詞・他動詞の両方で使える
- 数量・割合・程度など幅広い増加を表す
- 客観的・説明的な文脈に強い
- Prices increased last year.
- The company increased production.
rise の特徴:
- 自動詞のみ
- 自然発生的・制御できない上昇に使われやすい
- 価格・温度・水位・感情などに多用
- Prices rose sharply.
- Temperatures are rising.
rise は「誰かが操作した」というニュアンスを含まず、結果として上がった状態を描写します。

increase と rise、どう選べばいいの?

人がコントロールできるなら increase、自然現象っぽければ rise だね。
increaseとraiseの違い:他動詞として目的語を取る用法の違い
increase と raise はどちらも「増やす」意味で使えますが、行為者の強さが違います。
increase の場合:
- 他動詞でも比較的ニュートラル
- 数値・量・抽象概念に広く使える
- The company increased prices.
- We need to increase efficiency.
raise の場合:
- 必ず他動詞
- 「意図的に引き上げる」「能動的に操作する」ニュアンスが強い
- 給料・価格・税金などで頻出
- The company raised salaries.
- The government raised taxes.
raise は「誰がやったか」が明確で、責任の所在を強く感じさせる表現です。

increase salaries でもいいの?

意味は通じるけど、raise のほうが自然で能動的だね。
increaseとmultiplyの違い:数量の増大を強調する表現の差
multiply は increase よりも増え方の激しさを強調する動詞です。
increase:
- 増加の度合いは問わない
- 日常〜ビジネスまで万能
- Sales increased steadily.
multiply:
- 「倍増」「何倍にもなる」イメージ
- 急激・劇的な増加を強調
- 使用場面はやや限定的
- The number of users multiplied in just one year.
- Costs multiplied unexpectedly.
multiply を使うと、想定外・インパクトの大きさが伝わります。

increase じゃダメな場面もある?

増え方が異常なときは multiply のほうが説得力があるよ。
まとめ
increase は「増える/増やす」をどちらも表せる便利な動詞で、主語・目的語・文脈によって意味が決まります。
- 目的語なし → 自然に「増える」
- 目的語あり → 意図的に「増やす」
- increase by → 増加量
- increase to → 到達点
- increasing → 進行中・傾向
- rise / raise / multiply → 増え方や行為者の違いを表現
これらを意識することで、説明的で説得力のある英語が書ける・話せるようになります。

increase って、思ったより奥が深いですね。

でもポイントは単純だよ。
「誰が」「何を」「どれくらい」がポイント。

それを見れば、increase か rise かも自然に決まるんですね。

そう。increase を正しく使えると、英語の説明力が一段上がるよ。


increase って「増やす」動詞だと思ってた。