「尊敬」だけじゃない?respectが持つ「尊重する」の意味と使い方
英語の respect は、日本語では「尊敬」と訳されることが多い単語ですが、実際の英語ではそれだけでは意味を十分にカバーできません。
特に 動詞としての respect は、人への敬意だけでなく、意見・権利・選択・ルールを大切に扱う姿勢 を表す非常に実用的な語です。
英語圏では、感情よりも「どう行動するか」「どう接するか」を示す言葉として使われるため、日本語の感覚のまま理解するとズレが生じやすくなります。
この記事では、respect が持つ複数の意味を整理し、場面ごとの自然な使い分けを解説します。
目次
respectの基本定義
respectの動詞の意味
respect(動詞) は、日本語の「尊敬する」だけでは捉えきれない、非常に守備範囲の広い動詞です。
英語では「気持ち」よりも、態度・行動・姿勢 を表す語として使われることが多く、次の3つの意味に整理すると理解しやすくなります。
1.人を尊敬する(人格・立場・経験を評価する)
2.意見・価値観・権利・選択を尊重する
3.法律・規則・ルール・慣習を守る(従う)
特に2と3は、日本語の「尊敬」という訳語からは想像しにくいため、英語学習者がつまずきやすいポイントです。
respect は「相手に同意する」という意味ではありません。
賛成できなくても、相手の立場や存在を軽んじないというニュアンスを含みます。


もちろん。
agree しなくても、相手の考えを尊重する態度を示すのが respect なんだ。
respectの名詞の意味
respect(名詞) は、動詞よりも日本語の感覚に近く、主に「尊敬・敬意」という意味で使われます。
ただし、文脈によってはやや抽象的・論理的な意味も持ちます。
主な意味は次の3つです。
- 尊敬・敬意(人や集団に対して)
- 思いやり・配慮(態度としての尊重)
- 点・観点・側面(ややフォーマル)
例文:
- I have a lot of respect for her.(私は彼女をとても尊敬している)
- Mutual respect is important in any relationship.(どんな人間関係でも相互の尊重が重要だ)
- In this respect, the plan works well.(この点においては、その計画はうまくいっている)
3つ目の意味は会話では少なめですが、英文読解・ビジネス文書・試験 では頻出です。

in this respect は少し硬い感じがしますね。

会話よりも説明文やレポートでよく使われる表現だよ。
respectの発音と読み方
- 発音記号:/rɪˈspekt/
- カタカナ表記:リスペクト
- アクセント位置:後半の -spect
最初の re- は弱く発音され、「リ」ではなく「リィ」に近い音になります。
日本語の「リスペクト」とはリズムが異なる点に注意しましょう。
ポイントは次の2点です。
- アクセントは必ず後ろ(re-SPECT)
- 前半は短く・弱く、後半をはっきり 発音する
また、名詞でも動詞でも発音は同じで、音の違いはありません。
違いが出るのは文法上の役割だけです。

名詞と動詞で発音は変わらないんですね。

うん。アクセント位置も同じだから、まずは音を安定させるのが大事だよ。
respectの使い分け:尊敬、尊重、そして「守る」
人を敬う「尊敬する」のニュアンス
この用法の respect は、日本語の「尊敬する」に最も近い意味を持ちますが、英語では少し冷静で客観的な響きがあります。
英語の respect は、
- 相手の 人格・立場・経験・実績 を認める
- 感情的に憧れるというより、評価として敬意を払う
というニュアンスが中心です。
例文:
- I respect my teacher.(私は先生を尊敬している)
- She is respected by everyone in the company.(彼女は社内の誰からも尊敬されている)
ここでの respect は「好き」「憧れている」という感情よりも、信頼できる人物として一目置いている状態を表します。

日本語の「尊敬」とほぼ同じで使える?

近いけど、英語では感情より「評価」に近いね。
落ち着いた大人の敬意という感じかな。
権利やプライバシーを「尊重する・大切にする」
この意味の respect は、現代英語で最も使用頻度が高い用法です。
日本語の「尊敬する」とはかなり感覚が異なり、
- 相手の考えを 否定せずに扱う
- 相手の領域に 踏み込まない
- 権利や選択を 侵害しない
というニュアンスを持ちます。
例文:
- Please respect my opinion.(私の意見を尊重してください)
- We respect our customers’ privacy.(私たちは顧客のプライバシーを尊重しています)
ここでの respect は「あなたの意見に賛成します」という意味ではありません。
賛成・反対に関係なく、相手を軽んじない態度を示します。

反対していても respect していると言えるの?

言えるよ。
「同意はしないけど、あなたの考えは大切に扱う」という立場を示せるんだ。
法律やルールを「遵守する(守る)」
respect は、人や意見だけでなく、法律・規則・ルール・慣習に対しても使われます。
この場合、日本語の「尊敬する」とはまったく異なり、
- きちんと守る
- 従う
- 無視しない
という意味になります。
例文:
- Everyone must respect the law.(誰もが法律を守らなければならない)
- Please respect the rules of this facility.(この施設のルールを守ってください)
この用法では、respect は obey / follow に近い意味を持ち、感情はほとんど含まれません。

法律を「尊敬する」って日本語だと不思議。

英語では「軽視せず、きちんと従う」という意味で自然に使われるんだ。
respectと似た意味を持つ英単語との比較
respectとadmireの違い
この2語はどちらも日本語で「尊敬する」と訳されがちですが、評価の軸と感情の強さが異なります。
- respect:人格・立場・考え方を含めて敬意を払う(冷静・客観的)
- admire:能力・成果・外見などに強く感心する(感情的)
respect は「その人をどう扱うか」という態度に近く、admire は「すごいと感じる」という感情反応に近い語です。
例文:
- I respect him as a leader.(リーダーとして敬意を払っている)
- I admire his talent.(彼の才能に感心している)
admire は必ずしも相手の意見や立場を尊重することを意味しません。
一方、respect には「軽んじない」「無視しない」という意味が必ず含まれます。

すごいと思っていれば respect になる?

admire にはなるけど、respect は「どう接しているか」まで含む点が違うね。
respectとhonor / esteem / appreciateの違い
これらはすべて「高く評価する」意味を持ちますが、使用場面とニュアンス が異なります。
- honor:公式・儀礼的な敬意(表彰、称号、式典)
- esteem:内面的で静かな高評価(フォーマル・やや硬い)
- appreciate:価値を理解し、感謝する
respect はこれらの中で最も日常的・汎用的な語で、会話・ビジネス・文章すべてに対応できます。
例文:
- I am honored to receive this award.(この賞を受け取り光栄です)
- She is highly esteemed by her colleagues.(彼女は同僚から高く評価されている)
- I appreciate your support.(あなたの支援に感謝します)

全部 respect に置き換えられる?

近い意味でも、場面によっては不自然になるよ。
respect は一番バランス型だね。
respectとlook up toの違い
どちらも「尊敬する」と訳されますが、感情の距離感が異なります。
- respect:冷静で対等な立場からの敬意
- look up to:憧れ・目標とする気持ちを含む敬意
look up to には「自分より上に見る」という感覚があり、感情的な近さや理想化が含まれます。
例文:
- I respect my boss.(上司として敬意を払っている)
- I look up to my boss.(上司を目標として尊敬している)
look up to は、子どもが親・先生・ヒーローに対して使うことも多く、ややカジュアルな表現です。

大人同士だと respect のほうが無難?

そうだね。
look up to は憧れが強すぎる場合もあるから、使い分けが大事だよ。
日常会話・ビジネス・スポーツで使える例文・フレーズ集
日常会話で使われる自然なrespect
日常会話での respect は、「尊敬する」というよりも、相手の考え・選択・存在をきちんと扱うというニュアンスで使われます。
家族・友人・同僚との会話でも、意見の違いがある場面で特によく登場します。
例文:
- I respect your decision.(あなたの決断を尊重します)
- You should respect yourself more.(もっと自分を大切にしたほうがいいよ)
前者は「賛成かどうかは別として、あなたの判断を軽視しない」という意味、後者は「自分の価値を低く扱わないで」というアドバイス表現です。

意見が違うときに使うのがポイントなんですね。

そう。衝突を避けつつ、自分の立場を保てる便利な言葉だよ。
ビジネスシーンでの「意見の尊重」や「敬意」
ビジネス英語では、respect は対立を和らげるクッション言葉として非常に重要です。
- 反対意見を述べる前
- 相手の経験や立場を認めるとき
- 丁寧さ・プロフェッショナルさを示したいとき
によく使われます。
例文:
- We respect diverse opinions in our team.(私たちのチームは多様な意見を尊重します)
- I respect your experience and expertise.(あなたの経験と専門性を尊重しています)
これらは単なる美辞麗句ではなく、「あなたの意見を無視していない」という明確なサインになります。

反対するときほど respect が必要なんですね。

その通り。
これがあるだけで、英語の印象がかなり大人になるよ。
スポーツでの「リスペクト」の精神
スポーツにおける respect は、日本語のカタカナ語「リスペクト」と最も重なる用法です。
ここでは、
- 対戦相手
- 審判
- ルール
- 競技そのもの
すべてを大切にする姿勢を指します。
例文:
- We respect our opponents.(私たちは対戦相手をリスペクトしています)
- Respect the game.(競技そのものを大切にせよ)
勝敗に関係なく、相手やルールを軽視しない態度が respect です。

負けた相手にも respect を示すんですね。

そう。それがリスペクトの精神だよ。
まとめ
respect は、単なる「尊敬する」という感情表現ではなく、
- 人を一目置いて扱う
- 意見や権利を軽んじない
- ルールや法律を守る
といった態度・行動の指針を表す言葉です。
英語では、同意できない場面や対立がある状況でも、respect を使うことで 「相手を無視していない」「誠実に向き合っている」ことを示せます。

respect って、ただ褒める言葉じゃなかったんですね。

そう。英語では「どう接するか」を示す、大人な言葉なんだよ。


反対意見がある場合でも respect は使えるの?