心配を理解する!concernのさまざまな意味と用例
英語の concern は、「心配する」「関係する」「懸念・関心事」など、文脈によって意味と役割が大きく変わる単語です。
特に 動詞としての concern は、日本語の「心配する」だけで理解すると使い方を誤りやすいのが特徴です。
この記事では、基本的な意味から動詞・名詞の使い分け、関連語、実践的な例文までを体系的に解説します。
目次
concernのさまざまな意味と用例
concernの基本的な意味と使い方
concern の基本イメージは「注意・関心・気持ちが向くこと」です。
このイメージから、「心配する」「気にかける」という感情的な意味と、「〜に関係する」「影響を及ぼす」という客観的・説明的な意味の両方が生まれています。
そのため concern は、日常会話からニュース、ビジネス文書まで幅広く使われる汎用性の高い単語です。
日本語ではつい「心配する」とだけ覚えがちですが、それだけだと This issue concerns everyone.(この問題は全員に関係している)のような文が理解しにくくなります。
「感情」だけでなく「関係性」を表す語だと意識することが重要です。


よくそう思われるけど、実は「関係する」って意味の方が文章では多いよ。

感情がない場合もあるんですね。

そう。そこが worry との大きな違いだね。
動詞としてのconcernの用法
動詞 concern には、意味と使い方の軸が2つあります。
どちらの意味なのかを見分けるには、「感情が含まれているかどうか」を考えると分かりやすくなります。
1.「(人を)心配させる・不安にさせる」 この用法では、concern は人の感情に直接影響します。
- The situation concerns me. (その状況が私を不安にさせている)
- Her long silence concerned her friends. (彼女の長い沈黙は友人たちを心配させた)
2.「〜に関係する・〜を扱う」 こちらは感情を含まず、情報や内容の範囲を示す表現です。
フォーマル度が高く、説明文やビジネスで頻出します。
- This contract concerns international trade. (この契約は国際貿易に関するものだ)

concern を使うと、いつも心配っぽくならない?

文脈次第だね。
人が主語だと感情、物や文書が主語だと「関係する」になりやすいよ。

主語を見るのがポイントなんですね。
名詞としてのconcernの用法
名詞 concern は「心配」「懸念」「関心事」「重要事項」といった意味を表します。
worry よりも客観的で、個人的な感情だけでなく、社会的・組織的な視点からの問題意識にも使われます。
単数形では「一つの懸念」、複数形では「複数の懸念事項」を表し、ニュースやビジネス文書では複数形で使われることが非常に多いです。
- My main concern is safety. (私の主な懸念は安全性だ)
- There are growing concerns about data privacy. (データのプライバシーに関する懸念が高まっている)

worry と concern はどう使い分けるの?

worry は感情、concern は「問題点」って意識すると分かりやすいよ。

だからニュースで concern が多いんだ。
concernの発音と読み方
concern の発音記号は /kənˈsɜːrn/ です。
アクセントは後半の -cern にあり、最初の con- は弱く「クン」に近い音になります。
カタカナで表すと「コン・サーン」ですが、実際には最初を軽く流すのが自然です。
また、r の音を意識しないと「コンセーン」「コンツェルン」のような不自然な発音になりやすいため注意が必要です。

ずっと「コンツェルン」って言ってた…。

日本人あるあるだね。
「サーン」を強く言うのがコツだよ。

アクセントを後ろに置くんですね。

それだけでかなりネイティブっぽくなるよ。
concernと関連する単語・表現
concernedの意味と用法
concerned は形容詞で、主に2つの意味を持ちます。
「心配している」という感情的な意味と、「関係している・当事者である」という客観的な意味です。
どちらの意味になるかは、後ろに続く表現で判断できます。
1.「心配している」
- I’m concerned about her health. (彼女の健康が心配だ)
- Parents are concerned about online safety. (親たちはネットの安全性を心配している)
2.「関係している・当事者の」
- Everyone concerned will be informed. (関係者全員に通知されます)
- The concerned department handled the issue. (担当部署がその問題を処理した)
特に be concerned about は感情表現、the people concerned のような形は「関係者」という意味になるのが重要ポイントです。

concerned って全部「心配している」でいいの?

about があれば心配、名詞を直接修飾してたら「関係している」ことが多いよ。

形を見るのが大事なんですね。
concerningの使い方とは?
concerning は現在分詞形ですが、実際には前置詞や形容詞のように使われます。意味は大きく分けて2つあります。
1.「〜に関して(about と同じ役割)」
- I received an email concerning your request. (あなたの依頼に関するメールを受け取った)
この用法はややフォーマルで、ビジネス文書や案内文によく使われます。
2.「懸念すべき・心配な」
- The results are concerning. (その結果は懸念すべきだ)
この場合は形容詞的で、「見過ごせない」というニュアンスを含みます。

concerning は about に置き換えられる?

意味は近いけど、concerning の方が硬くて公式な感じだね。

だからビジネスで多いんですね。
心配や懸念を表現する他の単語
英語には「心配・懸念」を表す単語が複数あり、ニュアンスの違いを理解すると表現力が大きく向上します。
- worry:個人的で感情的な心配
- anxiety:長期的・心理的な強い不安
- fear:危険や恐怖に対する反応
- issue:話し合いや対応が必要な問題点
concern は、これらの中で最もバランスが取れた表現で、感情と客観性の中間に位置します。
そのため、日常会話からビジネス、ニュースまで幅広く使われます。

感情が強いと worry を使ったほうがいいの?

そうだね。
冷静に問題点を指摘するなら concern が便利だよ。
problemとの違いを徹底解説
concern と problem は似て見えますが、時間軸と深刻度が異なります。
- concern:将来問題になりそうな懸念、注意すべき点
- problem:すでに発生している解決すべき問題
- Rising costs are a concern. (コスト上昇は懸念事項だ)
- Rising costs are a problem. (コスト上昇はすでに問題だ)
concern は「まだ対処可能」「警戒段階」、problem は「対応が必要な段階」という違いがあります。

まだ起きていなくても concern なんですね。

そう。だからビジネスではまず concern として共有するんだ。

いきなり problem って言わない理由が分かったわ。
concernの例文集
日常で使えるconcernの例文
日常会話での concern は、「深刻すぎない心配」「ちょっと気になること」を表すのに適しています。
worry よりも落ち着いた響きがあり、感情を抑えて状況を伝えたいときに便利です。
また、 concern yourself with の形で「気にする」という意味でもよく使われます。
- Don’t concern yourself with other people’s opinions. (他人の意見を気にしすぎないで)
- His tone concerned me a little. (彼の口調が少し気になった)
- Is there anything I should be concerned about? (何か心配すべきことはある?)

日常会話だと concern は硬くない?

場面によるけど、「落ち着いた心配」を言いたいときには自然だよ。

worry ほど感情的じゃない感じですね。
ビジネスシーンでのconcernの使い方
ビジネスでは concern は非常に重要なキーワードです。
直接的に problem や complaint(苦情)と言わず、相手への配慮を示しながら問題点を指摘できます。
そのため、メール・会議・報告書などあらゆる場面で使われます。
- We understand your concerns. (ご懸念は理解しております)
- Please let us know if you have any concerns. (ご不明点・ご懸念があればお知らせください)
- This email concerns the updated schedule. (このメールは更新された日程に関するものです)
また address concerns(懸念に対応する)は定型表現として非常に頻出です。

problem って言わない方がいい?

最初は concern にしておく方が柔らかい印象になるよ。

クッション言葉みたいですね。
ネイティブはどう使う?実際の会話例
ネイティブは concern を「感情表現」と「状況評価」の両方で自然に使い分けます。
特に会話では、深刻度を調整するために concern を使い、いきなり problem と断定しない傾向があります。
【会話】
A: Is the drop in sales serious? (じゃあ、まだ大丈夫?)
B: It’s a concern, but it’s not a crisis yet.(注意は必要だけど、今すぐの問題ではないね。)
【会話】
A: Should I be concerned about his reaction?(少し心配した方がいい?)
B: little, but he’s usually calm.(少しだけね、様子を見よう。)
このように concern は「警戒はしているが冷静」というニュアンスを伝えるのに最適な語です。

さっきの会話だと、どうして problem を使わなかったの?

まだ深刻だと断定していないからだよ。
concern にしておくと、様子見や早めの対応ができるよ。

なるほど、言い切らないためなんですね。

そう。ネイティブは状況が悪化する前に concern を使ってクッションを置くんだ。
まとめ
concern は「心配する」という感情表現と、「〜に関係する」「懸念事項」という客観的な表現の両方を担う、非常に重要な英単語です。
動詞では「心配させる/関係する」、名詞では「将来問題になりそうな懸念」、形容詞では concerned(心配している・関係している)と、形を変えながら意味の軸を保ち続けます。
特に重要なのは、problem との違いです。concern は「警戒・注意の段階」、problem は「すでに対応が必要な段階」を表します。
この違いを理解すると、日常会話でもビジネスでも、状況を冷静に伝えられるようになります。

concern って、思ったより幅広い意味があるんですね。

そうだね。
「心配」だけで覚えると、半分しか使えていないよ。

problem との違いが一番分かりやすかったです。

そこを意識できれば、ネイティブにかなり近い判断ができるよ。

まずは worry じゃなく concern を選ぶ場面を考えてみます。

いいね。冷静に状況を伝えたいときは、まず concern を思い出そう。


concern って、やっぱり「心配」って意味が一番なの?